ソファや椅子の修理方法
ソファや椅子の張替え修理をご依頼をいただいた際に、内部の構造から修理をすることが多くあります。見た目がおかしなことになっている場合はもちろんですが、お客様が座った時に不具合と感じているところをお聞きして、木部の構造からクッション材まで、すべて見直して修理をしていきます。
また、年季の入った非常に古いソファや椅子の場合、当時と現在では材料や作り方が違うため、復元していくのに大変時間と手間がかかります。残せる部分はそのまま残して、新しく改善いたします。今回は2人掛けのソファとオットマン、アームチェアの張替え修理をご紹介いたします。
2人掛けソファの背面の腰が当たる部分が何故か陥没しています。中身のクッション材が感じられません。
座ってみると背中が曲がってしまい、非常に座りずらいソファになっていました。横から見ると一目瞭然です。
解体して下張り材を取り出してみると、厚紙のような素材のものが腰の部分に付けられていました。最初はまっすぐだったと思いますが、湿気などにより厚紙が柔らかくなり、座った時の荷重で徐々に凹んでしまって、このような状態になったのではないかと考えられます。
厚紙が付けられていた部分にはシートをはり、チップウレタンで盛り上がりを確保しています。
全て新しいウレタンに交換しました。
腰の部分には厚めにウレタンを付けて盛り上がらせています。
新しい生地を張って完成です。
黄色の合成皮革から、ベージュ色の布生地に張替えました。
腰の部分も見事によみがえって、座りも良くなりました。
BEFORE
AFTER
続いて椅子の張替え修理です
1人掛けのアームチェアはかなりの年代物です。
見た目から背中の部分が凹んでいるのが解ります。
反発力が失われています。
生地を剥がすと座面のクッション材にはやはり藁が使われていました。
昔の椅子にはよく使われています。
座面から取り出した藁です。
背中の凹みは布状のベルトが伸びてしまっているのが分かります。弾力が全くありません。
後ろからウレタンを入れて背中のクッション性を改善しました。
背中の後ろからシートを張って、ウレタンを固定します。
全て新しいウレタンに交換しました。木肘の小傷なども補修しました。
新しい生地を張って完成です。見た目にも張りが出て座り心地も良くなりました。
BEFORE
AFTER
張り生地はビニールレザーから布生地に張替えました。ソファと同じ生地にすることで、違う形のソファとアームチェアを同じ空間に置いても、インテリアに統一感がでました。また、アームチェアの座面の奥行が深かったので、腰当てのクッションを作りました。更に座りが良くなりました。