カウチソファの修理

シェーズロングソファの張替え修理をご紹介いたします。約15年ほど前にご購入されたようですが、お子様がソファの上で飛び跳ねて座面が陥没してしまったとのことです。座面部分の革も年月が経っているのでだいぶ擦り切れてしまっています。使い勝手が良く、また愛着もあるとのことで、張替え修理のご依頼をいただきました。それでは修理の工程を動画と一緒にご紹介していきます。

【修理内容】
・張替え
・座面陥没修理


かなり派手に座面が陥没していますね。
中を見るのがちょっと怖いです。
それでは解体をして行きましょう。




まずは表面の生地を剥がしていきます。座面のクッションがあらわになりました。本来はこのクッションのボリュームがここには存在していたはずなのです。それが陥没して木枠の中に埋まってしまったんですね。陥没部分の様子が徐々に判明していきます。



ウレタンを取り除きました。やはりゴムベルトが何本も切れていました。そう簡単には切れることが無いのですが、上からの荷重が強かったのでしょうか?その他にもゴムベルトが取り付けられている木枠も外れていました。ソファの上で飛び跳ねたりしたことで、ゴムベルトが切れたり、木枠が外れたと考えられます。しかし、よく調べてみるとそうでもない事実が判明しました。




ゴムベルトに引っ張られるかたちで木材がぶら下がっています。本来は側面のフレームにボンドと木ネジでしっかりと固定されていなければなりません。しかし、良く見てみるとボンドがあまり効いてない上に、固定方法はタッカーやクギで打ち付けているだけでした。よって、上から荷重がかかった時にゴムベルトに引っ張られて木材が外れてしまったようです。



ゴムベルトが切れてしまった一つの要因として、ゴムベルトが取り付けられている木材の角の処理がされてなく、角が鋭角すぎることが考えられます。長年の使用で、ゴムベルトが木材の角に擦れて、徐々に徐々
にベルトを削っていって切れてしまったようです。切れているゴムベルトはすべてこの位置から切れていました。



ゴムベルトは経年劣化で弾力がなくなってしまい、座ると沈み込みが深くて座り心地が悪くなります。新しいゴムベルトに交換することで、沈み込みも改善していきます。




外れていた木材はボンドと木ネジでしっかりと固定します。また、ゴムベルトが触れる部分の木材の角は全てを丸く処理します。


新しくゴムベルトを取り付けました。以前よりも隙間なく張っています。脚を伸ばして座った時にお尻が沈みこむことなくしっかりとした座り心地になりました。




崩れたウレタンも補修して、新しい綿で覆っていきます。更に新しい生地を張って完成です。



After



Before


今回修理したソファは某外資系家具店で販売されている海外で製造されたソファでした。いろいろなソファの張替え修理をご依頼頂いておりますが、特に東南アジアで製造されたソファの内部構造は、少々雑に作られているケースが見られます。われわれ国産メーカーからしたら、目を疑うような事例も多々あります。見た目がかっこよく、価格もリーズナブルで、海外製のソファをご購入されるかと思いますが、その裏には多少のリスクもあることを知っていただきたいものです。今回の張替え修理を経て、内部構造を改善することができましたので、更に長くお使いいただけるかと思います。


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シノハラ製作所では、愛着のある家具を熟練した家具職人が心を込めて修復いたします。勿論、シノハラ製作所以外の製品でも修復いたしますので、お気軽にご連絡ください。

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