80年前のソファの張替え

およそ2世代前(80年前)の1人掛けソファの張替え修理のご依頼です。
籐を巻いている肘が特徴的なソファです。
過去に一度張替えをされたことがあるようですが、何十年も前のようで表面の生地には破れや擦り切れなどが見られました。
更に座面の内部はベルトや布が朽ちて底が抜けている状態でした。
肘の取り付けもぐらぐらしていて、大がかりな補修が必要です。


<修理内容>
・表面生地の張替え
・内部構造の作り直し


座面を横から見た状態です。
バネが下から飛び出して表面が凸凹してます。
座面の上にクッションや座布団を敷いて座られていたようです。


座面を底から見た状態です。
底布やベルトが朽ちて破れており、粉状のものが落ちてきてました。


~解体~


まずは肘を外していきます。
肘は釘で留められていました。
長年の使用で木が痩せて取り付けが甘くなり、ぐらぐらと非常に不安定でした。


肘を外した状態です。
生地をはがしていきます。


肘かけ部分です。


生地をはがした状態です。
更に全て取り除いて木フレームのみにします。



内部のクッション材にはお決まりの藁が出てきました。
バネと藁の間の層にはやはり古い材料のドンゴロス(麻袋)が使用されていました。
古さが感じられます。


古い材料のドンゴロス(麻袋)をはずした状態です。


全て取り除いて木フレームのみとなりました。


この時点で、肘のぐらつきを修理します。
肘にボルトを取り付けて、本体にボルトナットで固定できるよう改良しました。
これでぐらつきも無くなりました。


~下張り~



以前の構造とは違う方法で下張りをしていきます。
まずは木フレームにバネ受けのフエルトを取り付けます。


次に背面・座面にポケットコイルを敷き詰めていきます。


ウレタンと綿を張って下張りが完成です。


~上張り(仕上げ)~


雰囲気を大切にして同じようなデザインの
生地をお選びいただきました。


BEFORE



AFTER


お客様のご自宅で非常古い扇風機を拝見いたしました。ソファと同じくらい古いものではないかとのことです。置物ではなく実際に動くのを見せていただきました。昔の物を大切に長くご使用されていらっしゃるので、ソファも末永くご利用いただけるものと思います。
この度は誠に有難うございました。


猫ちゃんもすっかり寛いでいるようです。



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