アンティークチェアの張替え&修理
アンティークチェア肘付きの張替えおよび修理のご紹介です。長年の使用で座面や肘部分の生地が破れ、座面の沈み込みがみられました。フレームは非常にしっかりとしていますので、張替えることで、長年お使いいただけると思います。
【北九州市 S様】
修理内容は、
1.布地の張替え
2.ウレタンの交換
3.座面のウエッピングテープ(ゴム材)の交換になります。
座面を裏側から見ると、このような状態です。緑色のウエッピングテープの上にウレタンがくいこまないように、白い緩衝材が入っていますが、朽ちてボロボロになっています。それによって、ウレタンがゴムの間にくいこんでました。ゴムも経年劣化で伸び切っているので、座るとかなり沈み込みます。
~解体~
それでは、生地をはがしていきます。
背面、座面、肘の生地の周りには表からタッカーの針が見えないように隠して留める方法のダブルパイピングというものが付いています。
このダブルパイピングを取り外す作業が非常に時間がかかります。木フレームを傷つけないように、慎重に進めていきます。
ダブルパイピングと生地を全て取り外した状態です。
更に、古くなったウレタンと下張り材を外していきます。背面にはウレタンの下にシートが張ってあります。やはりフレームを傷つけないように慎重な作業になります。
ようやく生地、ウレタン、下張り材が取り外され、フレームだけとなりました。
丸裸状態です。
~下張り~
次に座面にウエッピングテープを取り付けていきます。
左側が新しく取り付けたウエッピングテープです。
参考までに右側は修理前の状態です。
ウエッピングテープの数を増やして、クッション性を改善してます。
ウエッピングテープの上には厚みのある不織布(フエルト)を敷きます。以前のように朽ちて破れる心配はありません。少し切り込みをいれることで、クッション性を損なわないように配慮しております。
次にウレタンを取り付けていきます。
座面のウレタンは3層構造です。
「柔らかい、硬い、柔らかい」の順番に貼り付けます。座った時に「当たりが柔らかく、沈んだときに芯がしっかりとあり、底突きの無い」ようにしております。
座面と肘に新しいウレタンが付きました。
裁断が終わった生地です。背面と座面の柄が合うように注意が必要です。
~組立て~
次に、背面を仕上げていきます。まず最初に背中の裏の生地を張ります。次にシートを取り付け、そしてウレタン、最後に表の生地という順番になります。背面は座面よりも取り付け方が複雑です。
したがって、背中のある椅子の張替えは、コストがかかります。
ある程度大きめに生地を裁断してます。柄を合わせながらフレームに沿って、取り付けていきます。余った生地は切り取ります。
最後にダブルパイピングを周りに取り付けていきます。なるべく縦縞の柄が合うように取り付けていきます。
ようやく完成です。
淡いグリーンの生地がブラウン色の木フレームと非常に合っていて、より高級感が漂っています。
AFTER
BEFORE
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